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片想いの行方 2
第14章 行かないで
「待て。お前今どこにいる」
『………関係ないでしょ』
「言えよ。どこ?」
『もう家だよ』
「嘘つくな!
正直に言わないと、その頼み聞いてやんねーぞ!」
「…………!」
俺が叫んだので、美和がビクッと体を強張らせる。
それでも、居場所を聞き出すことに必死な俺はその目を見れない。
『……丸の内の……
変なアーチ形のビルの近く』
「国際フォーラムだな。
いいか、そこから一歩も動くなよ」
それだけ告げて電話を切る。
ヒカルのいる総合文化施設は、ここからだとタクって10分とかからない。
携帯を再びしまうと、俺は体を屈ませて
その時になってやっと、美和と目線を合わせた。
「美和、ごめん。
あとでちゃんと説明するから。
俺、今から………」
そこまで話したところで、ハッと我に返る。
美和の目から、涙は出ていないけど
その瞳は虚ろで、哀しみの色で溢れていた。
「……美……」
「行かないで」
美和の両手が、ぎゅっと俺の右手を包み込む。
消えそうな声で、美和は絞り出すように続けた。
「……ヒメ、行かないで………」
「…………っ」
「お願い………
今は、傍にいて………」
『………関係ないでしょ』
「言えよ。どこ?」
『もう家だよ』
「嘘つくな!
正直に言わないと、その頼み聞いてやんねーぞ!」
「…………!」
俺が叫んだので、美和がビクッと体を強張らせる。
それでも、居場所を聞き出すことに必死な俺はその目を見れない。
『……丸の内の……
変なアーチ形のビルの近く』
「国際フォーラムだな。
いいか、そこから一歩も動くなよ」
それだけ告げて電話を切る。
ヒカルのいる総合文化施設は、ここからだとタクって10分とかからない。
携帯を再びしまうと、俺は体を屈ませて
その時になってやっと、美和と目線を合わせた。
「美和、ごめん。
あとでちゃんと説明するから。
俺、今から………」
そこまで話したところで、ハッと我に返る。
美和の目から、涙は出ていないけど
その瞳は虚ろで、哀しみの色で溢れていた。
「……美……」
「行かないで」
美和の両手が、ぎゅっと俺の右手を包み込む。
消えそうな声で、美和は絞り出すように続けた。
「……ヒメ、行かないで………」
「…………っ」
「お願い………
今は、傍にいて………」