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片想いの行方 2
第14章 行かないで
「………分かった」

「…………!!」


腕の中で、美和が小さく呟いたから

力を緩めて、ゆっくりと体を離す。


「………美和」

「えへへ、ごめんね。
ワガママ言っちゃった」


美和はふっと優しく微笑むと

肩からジャケットを外し、俺の手に渡した。


「………理由が何であっても
ヒメが行かなきゃって思ったなら
きっとそれが正しいのよね」

「…………っ」

「私……何の力にもなれなくて、ごめんね……
ヒメが戻ってくるの、ここで待ってるね」


立ち尽くす俺の前から1歩下がると、美和は入口に足を向ける。


「………美和!」


ドクッと心臓が鳴って、思わず後ろからその手を掴む。

美和はゆっくりと振り返ると、俺をじっと見つめた。


……そして……



「………私は

“ 時間なんて気にしねぇ ” 」


「…………!!」



夜空に輝く星のような

キラッと光る笑顔を浮かべて

美和は俺の手を握り返した。



「………あの時

ヒメが一条さんのマンションの前で、私を出迎えてくれたように……

ヒメが私の所に来てくれるまで

いつまででも待ってるわ」
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