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片想いの行方 2
第16章 交代
………あたし、最低だ。
片想いの辛さを知っているから、こうしてあたしの所に来てくれたのに
優しい心を持っているからこそ、こうして救いの言葉を与えてくれているのに
こんな時でさえ、素直にありがとうと言えない。
………だからだよ。
こんなあたしを、蓮が好きにならないのは当然だ。
「………ヒメ。
これ以上あたしに酷いこと言わせないで」
「…………」
「お願いだから帰って。
大丈夫だから」
「………何が大丈夫なんだよ」
「蓮に告白しようと思ったんだけど、直前で留まったんだ。
あんたがちゃんと任務を遂行してくれたら、何の問題もない」
目をゴシゴシと擦って、やっとヒメに顔を向ける。
……大丈夫。
問題ないよ。
今まで通り。
いつものように、歯を見せてヒメに笑いかけると
ヒメは切ない瞳をして、自分の拳をぎゅっと握りしめた。
「……………」
………まったく、この男は。
沈黙するヒメを見て、だんだんと落ち着きが戻ってくる。
顔もスタイルも良くて、センスも抜群。
口の悪いドSキャラで、迷いや弱みを一切見せない。
そんな彼が、片想いしてる女の為にここまで感情移入してしまうなんて、誰が想像できるだろう。
………その行き場の無い手は、美和さんに向けるべきだ。
あたしの為なんかに使うなよ。
その優しさは、あたしにとっては逆に辛いんだ。
片想いの辛さを知っているから、こうしてあたしの所に来てくれたのに
優しい心を持っているからこそ、こうして救いの言葉を与えてくれているのに
こんな時でさえ、素直にありがとうと言えない。
………だからだよ。
こんなあたしを、蓮が好きにならないのは当然だ。
「………ヒメ。
これ以上あたしに酷いこと言わせないで」
「…………」
「お願いだから帰って。
大丈夫だから」
「………何が大丈夫なんだよ」
「蓮に告白しようと思ったんだけど、直前で留まったんだ。
あんたがちゃんと任務を遂行してくれたら、何の問題もない」
目をゴシゴシと擦って、やっとヒメに顔を向ける。
……大丈夫。
問題ないよ。
今まで通り。
いつものように、歯を見せてヒメに笑いかけると
ヒメは切ない瞳をして、自分の拳をぎゅっと握りしめた。
「……………」
………まったく、この男は。
沈黙するヒメを見て、だんだんと落ち着きが戻ってくる。
顔もスタイルも良くて、センスも抜群。
口の悪いドSキャラで、迷いや弱みを一切見せない。
そんな彼が、片想いしてる女の為にここまで感情移入してしまうなんて、誰が想像できるだろう。
………その行き場の無い手は、美和さんに向けるべきだ。
あたしの為なんかに使うなよ。
その優しさは、あたしにとっては逆に辛いんだ。