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片想いの行方 2
第16章 交代
「………れ、蓮……」
突然現れたその姿を見て、体が一瞬で石のように固まる。
ま、待って。
な……なぜ蓮がここにいるの。
あたしは本社に呼ばれて帰ったことになってるんだよ。
聞いた!?
聞いてないの!?
………ハッ!!
「…………!!」
………恐る恐る隣りに目を向けると
蓮への伝言を頼んだ男が、さっきまでの切ない瞳を一変させ、顔面蒼白でフリーズしていた。
………こいつ
見たところ、あたしの衝撃度を軽く超えてるな。
蓮の陰に隠れて、おろおろしている美和さんを
ヒメは呆然と見つめている。
「ははは、さっきの美和と同じ顔。
予想を上回る反応で嬉しいよ」
あたしたち4人の中で、蓮だけが1人楽しげに笑っている。
………蓮。
嬉しいとか言ってる場合じゃないよ。
この状況……あんたが説明してくれなきゃ収集つかないんですけど……!
「……美和……」
ヒメが、もう消えてしまいそうな声で呟く。
………やばい、心臓がドクドクと鳴り響いて
どうして蓮が美和さんといるかを考えなきゃいけないのに、頭がパニックで声が出てこない。
………いや、違う。
あたしは何よりもまず、美和さんに謝るのが先だ……!