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片想いの行方 2
第17章 幸せの花びら
「……いつから、あたしの気持ちに気付いてたの?」


食べ終わった器を下げられたタイミングで、そう切り出すと

水を一口飲んで、蓮は顔を逸らした。


「いつだったかなー……忘れた」

「正直に言ってよ」

「…………」

「いいよ。
だってもう知ってるんでしょ」

「……大学2年の……
夏合宿の時くらい」

「え!?そんな初っ端から!?」


蓮を意識し始めたのは、4月にやった花見の席だ。

それから半年も経たずにバレてたなんて……

共通の友人や水泳部の仲間には、完璧に隠してたと断言できるけど

本人が分かってたんじゃ、何の意味も無いではないか……


………なんか、急に体から力が抜けた。


「優しいねー、蓮。
7年近くも気付いてないふりしてくれてたんだ」

「……お前その間何人か彼氏いただろ」

「彼氏じゃないよ、みんな友達」

「…………」


蓮を忘れる為に、何度か彼氏という存在を作ろうとしたことはある。

でも、案の定甘い関係は続かなくて、そのまま友達に戻るっていう繰り返し。

………今から思い返せば、最初から蓮以外の男を見つける気なんて無かったんだ。


「今日あたしが話があるって言った、その時点で
いよいよ告白だって分かったんだ?」

「…………」


なんともいえない切ない表情で、蓮があたしを見つめるから

くすぐったいような気持ちになってしまう。

………ヒメと同じ、心が綺麗なこの男のことだから

あたしとはまた別の意味で、苦しかったんだろうな………

なんだかそんな風に思えてしまって

あたしは自然と笑みがこぼれた。
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