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片想いの行方 2
第17章 幸せの花びら
「……蓮、あたしね………」
震える手を、その体に添えて
胸に顔を埋めて、そっと心を開く。
「………好き」
「……………」
「ずっと……ずっと好きだったの」
「………うん」
「蓮が誰かに片想いをしているのは知ってたから、言えなかったけど。
あたしは、ずっと蓮を見ていたのよ……」
開放された気持ちは、この時を待っていたかのように
あたしの口から、堰を切ったように飛び出していく。
「何度も諦めようとしたけど、ダメで。
……忘れられなくて、苦しかった」
「……ごめんな」
「蓮を好きになったのはね
ヒメと一緒にいる……蓮の本来の姿を見てからなの」
「……そっか」
「誰にでも優しくて、だけど芯は絶対にブレなくて。
あたし、そんな蓮に憧れてもいるんだよ」
「……本当?」
「うん。
蓮以上のいい男なんて、ヒメ以外にいないもん」
「……それってつまり、どっちが上?」
小さく笑った蓮に、さらにぎゅっと引き寄せられる。
その温かい腕に包まれて
あたしの目から、自然に涙がこぼれた。
上とか下とか関係ない。
………あたしにとってのあなたは
あたしの気持ちを優しく包んでくれる
たった1人のヒーローなんだ。