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片想いの行方 2
第19章 入会
自動ドアを閉めにいったアルバイトの子が、顔面蒼白で戻って来た。

体が異常に震えてるから、私も社員の子もギョッとしてしまう。


「なに?どうしたの?」

「ビ……ビップ……!!」

「は?」

「VIPがお出ましに……!!」


今にも泡を吹いて倒れそうになりながら、その子は指先を店の入口に向ける。

私と社員の子が、同時にその方向に目をやると………


「はぁい♡ こんばんみー!」

「「…………!!」」

「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん♪」


照明を落とした店内に、いきなり神々しい光が放たれる。

オーラというのは、特別な人間だけが持つ輝きだ。

黄金のエナメルピンヒールをカツカツと鳴らして

尋常じゃないほど小さい顔から、彼女はサングラスを外した。


「ヒカル♡ お久しぶりぶり♪」

「~~~~!!!」

「相変らず蓮くんにそっくりネ♡」


………大学時代、ヒメの家で集まった時

その姿を見て、鼻血の出血多量で死ぬかと思った。

その当時よりも、更にパワーアップした風貌で

オールバックに固めたブロンドヘアと、真っ赤なルージュをキラッと光らせて

麗子さんはニカッと笑った。
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