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片想いの行方 2
第4章 ☆甘い夜
ヒメはポケットに手を入れて、携帯を探し出す。
私は半分呆気に取られたまま、口を開いた。
「……このケーキの写真なら、私さっき撮ったよ。
自分で言うのもなんだけど、良く出来たなぁって思って」
「じゃあ、それ俺に送って」
「う、うん……」
「食う前に手洗ってくる」
ヒメは携帯をソファの横に置くと、立ち上がってリビングを出ていった。
その後ろ姿を、ぽかんとして見つめる。
「………あれは、誰?」
思わず呟く。
ヒメは、自分から写真を撮りたいなんて絶対言わない。
普段隠し撮りまでされる立場だから、むしろ好きじゃないと思う。
………なんだか、無性にドキドキする。
普段から口が悪くてぶっきらぼうだけど、こんな風にキュンとさせられる事が度々起きる。
付き合って1ヶ月だけど、私がまだまだ知らないヒメがいっぱいあるんだ。
それをこうして近くで感じられるのは、とても嬉しいなぁ。
そんな事を思いながら、ケーキを冷蔵庫に入れて
ソファの前のラグの上に
戻ってきたヒメと並んで座った。