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片想いの行方 2
第6章 ★君のままでいい

「ねぇ、蓮」
カバンの中に蓮がチョコレートをしまうのを見つめて
私は静かに自分の想いを口にする。
「無理に、忘れようとしないで大丈夫よ」
「……え?」
「大好きだった彼女のこと。
忘れる必要なんて無いわ」
「………!」
蓮は驚いた顔で私を見た。
その吸い込まれそうな瞳。
……さっきの彼と、よく似てる。
「貴方の想いは、空高く舞って消えたと言ったけど。
すぐに消そうとしないで、自然に任せればいいのよ」
「……瑠璃……」
「蓮のことだから、私に遠慮して気持ちを抑え込んでしまうと思うけど。
私はまた蓮の恋人になれただけで、すっごく嬉しいの」
蓮がまだ、彼女を好きだっていいじゃない。
彼の傍に居られるという事実。
少しずつでいいから、また私を好きになってもらえるように
等身大の私を、蓮に感じてもらえるように
私らしく彼に寄り添えばいいんだ。
………私には
蓮がくれた、これからの未来がある。

