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片想いの行方 2
第2章 ☆立場逆転
「なぁ、もうバラしちまおーぜ」
他に誰もいないことを確認してから
呼び出された用件を聞く前に、俺は先に口を開いた。
「……え?」
「俺、彼女が誰かって聞かれまくるんだよ。
そろそろ、言ってもいいんじゃね?」
美和の首元に光る、星のネックレスを確認して
俺はその答えを待つ………までもなく
「それは、ダメ」
はい、予想通りそっこー却下。
この提案は付き合った時から言ってんだけど、美和は首を縦に振らない。
「別にいいだろ。
他にも社内恋愛してる奴いるじゃん」
「他の人とは違うの。
バラした途端に、私殺されるわ」
「んなわけあるか」
「あるのっ。
この社内だけで、どれだけヒメのファンがいると思ってるの?」
美和は普段と同じように、淡々と返してくる。
「…………」
……はぁ、こいつ全然分かってねぇな。
俺が言いたいのはそこじゃねーんだよ。
俺とお前は、今では完全に立場逆転しちゃってるわけ。
自覚の無い美和の前で、俺は溜息を漏らした。