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例えば、こんな...
第6章 バレンタイン企画
……って

ホントにどうした、俺?

一体何が気に入らない?

桐生さんが真純にどうかするなんてあり得ない。

訳、分かんねぇ

「ちゃんと、紹介してね」
頭の混乱を覆い隠して、ニコリと笑い掛けると、真純が下がりきった眉を寄せた。
「……あ、の……」
「うん?」
「紹介するの……」
そこまで言って黙り込む。キュッと引き結ばれた口角。
一度瞬きをして
「は、恥ずかしいんですけど……」
言いながら段々俯いていく。
「しなくちゃダメ、ですか?」
最後にまた上目遣いで見上げられた。すこし怯えている様に見えるのは、おそらく俺の顔色を伺っているから。

ドクンと大きくみぞおちの辺りが震えた…………

涙を滲ませての上目遣い。ヤラレてるのは真純、だから?
慣れない心拍の乱れを落ち着かせたくて、気付かれない様に深呼吸を一つ。

ダメだ
思いっきり困らせて、泣かせたい……

「何かあった時の為に、一人くらいは知っておいてもらいたいんだけど?」
そう思っているのは事実。体調不良で倒れたり、変なのに付き纏われたり、真純は何かと危なっかしい。
考えるように黙り込まれた。
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