パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第9章 　その予感は

「結ちゃん、そんなに緊張しないで？」


くすくす、とあおいさんが笑う。


「っ、はい……あ！」


すると結ちゃんが思い出したかのように声をあげて


「あの、これ……うちの近くのお店のロールケーキなんですけど、美味しいって評判なんです。
丈くんに、お姉さんは甘いものがお好きだって聞いて……」


手に持っていた紙袋から包みを取り出して、あおいさんに渡す。


「わ、ロールケーキ大好き！
わざわざありがとう結ちゃん」

「あ、いえ、そんな」


首を振ってはにかむ彼女に、あおいさんは


「可愛い子ね、丈」


そう、彼に声をかける。


「……ん」


すると今度は丈まで、照れたように。
見たことのない彼のその表情。
この子のことほんとに好きなんだな、と俺は思った。