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暁闇
第9章 その予感は
丈と結ちゃんに、今からふたりで出かけることを告げる。
あおいさんは結ちゃんに、また来てねと声を掛けていて、結ちゃんも笑ってそれに答えていた。
そんな中、丈はこっそりと俺に頭を下げてきて。
アパートを出て、俺の車にふたりで乗り込む。
「どこ行きましょうか」
声を掛けると、あおいさんは少し悩んで、それから
「映画、観たいかも」
そう言ってきた。
「あおいさん映画好きなの?」
「あ、うん。けっこう観るかな。
レディースデーのときとか」
「へえ……どういうの好き?」
「邦画かな。ジャンルはあんまりこだわらないの」
「そうなんだ」
俺は近くの映画館へ向かうべく、車を発進させた。
「いい映画やってるといいですね」
「翔悟くんは映画好き?」
「あ、俺もけっこう観ますよ? 洋画が多いけど」
「おすすめある? 洋画はあまり詳しくなくて」
「そうですね……俺が好きなのは――……」