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暁闇
第9章 その予感は
そうして俺はまたひとつ、あおいさんを知る。
そうやって少しずつ、彼女の形容詞は増えていく。
料理が上手くて、映画が好き。
弟想いで、穏やか。
優しくて、気遣いが出来て。
時々慌てる時もあるけど、そんな言動も可愛く思える、俺より少し年上のその人。
彼女について考えると、正直……いいところしか出てこなくて。
苦手なところとか、頭に浮かばなくて。
……そう。
好意は、募るばかりで。
映画のあと、お茶をしながらまた話をする。
観た作品のこと。
今まで観た中でよかった映画のこと。
それから派生して、好きな俳優のこと。
とにかく話は尽きなかった。
彼女が話すことは、興味深く聞けたし。
俺が話すことを、彼女もちゃんと聞いてくれてるのが分かる。
もっと聞きたいし、もっと話したい。
彼女と会っていると、いつもそう思う。