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暁闇
第9章 その予感は
――好き、なのかもしれない。
もう、そう認めざるを得ないような。
そんな感情なのかもしれない。
あのとき感じたのは、そう――――こうなる予感だったのかもしれない。
久しぶりに会えた、今日。
こんなにも気分は高揚している。
それは紛れもない、事実で。
でも――――。
頭にちらつく、そのこと。
あおいさんは、まだ葉月先輩のこと――――。
聞きたくて、でも聞けなくて。
だって、俺はまだ桜井のこと完全に忘れられないのに。
なのにあおいさんにそれを聞くのはおかしい気がして。
高まっていく感情に振り回されてる自分を痛いほど感じながらも、肝心なことは何も彼女に聞けなくて。