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暁闇
第11章 始める決意
『悪い! 熱が出たから今日は行けない! お前らにうつすと悪いし!
今度埋め合わせするから! ごめんな!』
「は? ちょっと――――おい!」
一方的にまくしたてられ、切られた電話。
俺は溜め息と共にスマホをしまう。
「……なんか、小林も今日は無理らしいよ」
「あ、そうなんだ……」
そもそも、小林と、山口さんが親しくなるための今日の予定だった。
必然的に、ここは解散の流れだろう――――そう思った俺は、氏井さんに向かって
「……じゃあ、今日の計画は失敗ってことで。また次の機会があれば? かな」
そう告げる。
「あ、その」
その言葉に、氏井さんは慌てたように。
「でも、せっかくなんで。少しお茶、でも」
「え?」
……彼女をよく見ると、俯いた頬がなんだか赤い。