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暁闇
第12章 告白
あおいさんが、掠れた声で、翔悟くん……と俺の名を呟く。
「……ありがとう」
そして、そんなふうにお礼を。
再度、彼女を見ると、口元に笑みを浮かべながら少し俯いていて。
「こちらこそ」
その俺の言葉に顔を上げ、俺を見て。
「……ね、これからどこに行くの?」
そう、楽しそうに聞いてきた。
「んー。着くまで内緒――――」
俺はその問いを、そう言って誤魔化す。
自然に、口角が上がってしまう。
「内緒なの?」
「ん」
「どうして?」
「どうしても」
「そうなんだ」
「そうなんです」
そんな会話を交わしながら、くすくすと横から聞こえてくる、控えめだけど……そう、楽しそうな彼女の笑い声――――。