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暁闇
第2章 花冠の……
乾杯のあと、みんなそれぞれその場を楽しみ始める。
俺も最初は坂本と話をしたりしていたけれど、やがて友人たちに再び囲まれ始めた彼女のそばをそっと離れ、壁際に立つ。
つい、桜井を目で追った。
会場を回って先輩と一緒に、かと思うと離れてそれぞれ友人たちに挨拶をしたりしていた。
「琴音ー!!」
そして、坂本の賑やかな声が。
彼女のいる場所へとやってきた桜井と、手を取り合いながら笑っている。
ふたりの口元が動いているので、何か話しているのだろうとは思ったけれど――――。
「ん?」
坂本が、俺を見て指さす。
桜井も、こっちを見た。
笑いながら頷きあったふたりは、そのまま俺の方へと歩いてきて。