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暁闇
第15章  私


一度入れば、次からはもっと簡単だった。
でも、他の子たちに知られたら、ずるいと言われるのは分かっていたし。
先生が、えこひいきだと非難される心配もあった。
だからいつもこっそりと遊びに行っていたけれど、まるで中毒のようなその、特別感。
そして、みんなの憧れの先生と親しくしているという優越感。
私も、今日子ちゃんも。同じようにそれを感じていた。


……あの日もそうだった。

2月末。いつものように私は今日子ちゃんと、先生の家に行く約束をしていた。

それなのに今日子ちゃんは体調を崩してしまって。
行けなくなってしまって。

だから私も、行かなければよかったのに。
今日子ちゃんが元気になるまで待てばよかったのに。


……なのに。
ひとりで、行ってしまった。


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