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暁闇
第15章  私


楽しみにしてたから。
それがだめになるのが残念で。
先生に会いたくて。
話がしたくて。

大丈夫だよね、って。
今までだって大丈夫だったんだから、今日だってそうだよね、って。

今思えばそれはとても浅はかな考え以外の何物でもないのに。
そのときの私は、そう思えなかった。

先生は、ひとりで来た私に驚いて。
『困ったな』と言いながらも、結局中に入れてくれた。

いつものように少し勉強を教えてもらって。
進路のこととか、将来やりたいこととか聞いてもらって。
それに対する意見とか、先生の学生時代のこととかを聞いて。

いつもは1対2なのに、今日は1対1で。
先生は私しか見てなくて。
私にだけ話してくれてて。
それがすごく、嬉しかったのを覚えている。

……数時間後、私は先生の家を後にした。


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