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暁闇
第15章 私
高2の秋。
父と離婚することになったと、母が言った。
……もしかしたら不仲なのかな、とは思っていた。
最初は頻繁に父のところに行っていた母も、次第に行かなくなって。
電話で言い争いをしている声を、何度か耳にしたこともあった。
父の浮気が原因だと知ったとき。
――私のせいだと思った。
私が、あんな浅はかな行動をしたから。
学校に行けなくなるようなことをしたから。
父を置いて引っ越したから。
だから父は、女の人を作った。
四人一緒にずっといたら、きっとそんなふうにはならなかったのに――――。
弟はまだ、小3なのに。
男の子だし、父親の存在はきっと必要なのに。
私が、母から父を。
弟から父親を奪ってしまったんだ――――。