この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
暁闇
第15章  私


そっと手を引こうとすると、翔悟くんは力を緩めてくれた。


離れた手。


電話に出て。
……切って。


また、どうしよう、って思って。
ひとりになって考えたくて。
私から、そろそろ帰ろう、と切り出した。

翔悟くんは、少し難しい顔をして。
何か、考え込んで。
何か、言いたそうにしていて。

私は胸がどきどきしているのを痛いほど感じながら、その場をどうやり過ごしたらいいのか考えた。

そして何か言い掛けた彼を、コーヒーを買ってくると言って、ひとりで店に向かった。


コーヒーができる間の、束の間のひとりの時間。
深呼吸をした。

……何か言い掛けたさっきの彼を、思い出す。

いっそ謝ってくれればいい。
雰囲気に流された、それだけだと。
そうしたら私も、きっと笑って流せる。
そして、今まで通りの仲のいい友達のような関係に、戻れる。

……手を、握られて。握り返して。
それだけで充分、嬉しかったから。
それ以上望んじゃだめ、と強く自分に言い聞かせ、もう一度深呼吸をした。



/551ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ