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暁闇
第16章 向き合いたい
言えた。
ちゃんと、言えた。
私は大きく息を吐く。
「……本当はさっき、言いたかった。
なのに、ごめ……なさい……」
湧き上がる感情に、声が震えた。
「ちゃんと答えなくて……ごめんなさ……」
ひく、と。
語尾が乱れてしまって。
『……泣いてるの?』
翔悟くんの、静かな声がして。
首を振って答える。
電話だから、そんなことしたって彼には見えないのに。
『……20分で行きます』
不意に告げられたその言葉に、え……? と掠れた声が漏れて。
『丈、家に?』
「……あ、うん……」
『じゃあ、迎え行くんで。
出られる準備しといてください』
「え……」
『直接話したいです』
「翔悟くん――――」
『ちゃんと』