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暁闇
第16章 向き合いたい
突然の流れに、私は言われるがままで。
切れた電話に少し呆然と、手の中のスマホを見つめる。
「……翔悟くん、来るの……?」
呟いて、やっと我に返る。
でも何をしたらいいのか頭が働かない。
「待って……」
とりあえず、立ち上がる。
――そのときだった。
コンコン、とドアをノックする音。
「姉ちゃん、入るよ」
部屋の外から聞こえてきた弟の声。
「……あ、うん」
無意識のうちにした返事と同時にドアが開いた。
その顔は、まだ少し不機嫌そうに見える。
「何突っ立ってんの。翔悟さん迎えに来んだろ?
……早く準備しろよ」
「え……」
「今連絡あったの! 夜中に悪いけど姉ちゃんのこと迎えに行くから、って」
「でも」
まだ戸惑っている私に、溜め息をついて。
「でもじゃねーし」
ほら、と。
急かすようにする。