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暁闇
第16章 向き合いたい
「電話、嬉しかったです」
耳元で囁かれる言葉。
……息が、熱い。
「マジで嬉しかった……」
ぐっ、と。
抱き締められる腕に力が込められて。
「好きです、あおいさん」
溜め息のような、その告白。
……もう、無理。
唇を噛んで耐えていたけど。
こみ上げてくる感情を止める術などもうどこにもなかった。
「翔悟くん――――……」
好き。
……好き。
私をきつく抱き締めてくれる彼。
好きだと言ってくれる彼。
――ちゃんと向き合いたい。
そう思った。
真っ直ぐに私に向けてくれる、彼の想いに。
……そして、自分の想いにも。