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暁闇
第3章 そして出会った彼女
「……気分、悪いんですか?」
突然、近くで聞こえた声。
顔を上げると、女性が俺を心配そうに見ている。
「あ……違い、ます。
すいません――――」
慌てて答えると、ほっとしたようにその人は微笑んだ。
「ならいいんですけど……」
そう、口にして。
俺より年上に見えるその人は、可愛いというよりは美人で。
肩下まである綺麗な髪。
すっとした切れ長の瞳が俺に向けられていて。
……香水だろうか。ほのかに柔らかな香りがした。
「あの……」
その人は、何か他にも言いたそうにしていて。
はい、と続きを促した俺に
「琴音さんのお友達ですか?」
そう聞いてきた。