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暁闇
第3章 そして出会った彼女
「あ、そうです……けど」
「私、桜井くんの同僚です」
その言葉に、やっぱり、と思った。
年上だと思ったのはどうやら当たっているようだ。
なんとなく会釈をし合う。
「お似合いですよね」
ぽつりと、彼女が呟いた。
その言葉に、つられたようにまた俺も会場内のふたりに視線をやる。
「……はい」
それ以外の言葉など、もう何も出てこないほどに。
どこからどう見てもふたりは似合っていた。
時折絡ませる視線と、笑顔。
それがすべてを物語っている。
「……本当に」
勝手に口から零れ落ちたその言葉。
彼女には聞こえたのか、ちらりと俺に視線が向けられたのが分かった。
俺は俯いて、その視線を拒む。