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第17章 　交わすたび、深まって

けれど。


「……何、言ってんですか」


私の両腕を掴み急に身体を離した彼は、そのまま私を射るように見つめてきて。
思わずたじろいだ私に、いつもより少し低い声で言った。


「私なんか、とか言わないでください。
……俺、そんなあおいさんが好きなのに」

「翔悟くん……」

「信じてください」


掴まれた腕に力が込められて。
それは少し痛いくらいで。


「……丈に言われたからじゃない。
自分の気持ちは自分がよく分かってる。
俺、たとえ頼まれたって、何とも思ってない人に好きだなんて言わない。
俺はそんないい奴なんかじゃないって、そう前にあおいさんに言ったはずです」


翔悟くん……、と。
その真剣な表情に、目を逸らせないまま思わず呟いてしまった彼の名前。


「あおいさんのこと……俺、マジで好きだと思ったから。だから」


苦しそうに、一瞬揺れる瞳。


「……聞かされた、昔のことも全部ひっくるめて……そんなあおいさんが愛しいって思ったから――――」