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暁闇
第17章 交わすたび、深まって
「反対に、私が翔悟くんにいっぱいそういう気持ちもらってる。
楽しい気持ちとか、嬉しい気持ちとか。
好き、って気持ちも……。
こうしてる今も、すごくいっぱいいろんな感情もらってて……どきどきしたり……苦しくなったり……」
そこまで言ったら、近づけられた彼の顔。
反射的に閉じた目。
優しく触れた唇が、小さく音を立てて離れる。
「……待って。
そんなこと言われたら、俺……」
すぐ近くで聞こえる、その微かな呟き。
はあ……と、息を吐く気配がして。
「俺だって……すげーどきどきしてんのに」
その言葉にゆっくりと目を開き、彼を見ると。
なんだか。
……なんだかいつもと違う、その目。
「……っ」
どきん、と心臓が大きく波打つ。
いつからあんな熱っぽい目で見られていたのか。
どきどきと、鼓動が激しくなる。
……っ、翔悟くんに聞こえてしまう――――。
そう思ったら、ますます動悸が激しくなって。
「あおいさん」
「……っ、あ、はい……!」
そんな中、突然名前を呼ばれたから。
何だか変な返し方をしてしまった。
こんなの、動揺してるの丸わかりで。
顔が赤くなるのが分かって。
「……う」
恥ずかしい――――。
ぎゅっと、目をつぶる。