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第17章 　交わすたび、深まって

「……俺ね」


そしてまた、翔悟くんはぽつりと。


「あおいさんの笑った顔が好きなんです。
俺まで幸せな気分になる。すごく……癒される」

「……そんなこと、初めて言われた」

「ほんとに？」


こくん、と頷くと、背後から顔を覗き込むようにされ。


「じゃあ俺だけが分かってるってこと？」


それって何かいいな、と顔を戻しながらの呟き。


「……俺、そういう……俺だけが知ってるあおいさんを増やしていきたい」

「翔悟くん……」

「俺に見せて。あおいさんの全部。
迷いも、戸惑いも、躊躇いも――――全部、俺が聞きます。あおいさんの全部、受け止めたい」


翔悟くんの中にある、その熱。
知らなかった。
こんなにも……彼はこんなにも激しく、相手を求めるひとなんだ。


その、気づきに……ぞくり、と何かが背中を駆け抜けた。


そしてまた、私の心はさらに彼に惹かれていく――――。