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第17章 　交わすたび、深まって

目を閉じて彼の口づけを受けながら、どうしよう……って。
だって、さっきやっと好きって言えたばかりで。
そういう心の準備とか、まだ全然できてなくて。

そんなことを考えていたら、無意識のうちに強ばってしまっていた身体。

翔悟くんにもそれが伝わったのだろうか――――不意に、唇が離れた。


「……あおいさん、緊張しすぎ」

「え……？」


その声に目を開けると、私を見下ろして、困ったように少し笑う翔悟くん。


「……キスだけです」


頬にかかる私の髪を、優しくはらうようにされ。

キスだけだから――――そう繰り返した彼の唇が再び下りてくる。


「ん……」


ちゅ、と。
その口づけは、あくまでも優しい。

静かに押しつけられ。
また離され。
彼は顔の角度を変えながら、何度も、何度も。

緊張が、少しずつ解けていって。

指先が私の頬に触れる。
そっと、撫でられて。また口づけられて。

ふわふわする。
唇に触れる柔らかな感触が気持ちいい。

上唇を挟むようにされて、軽く吸われる。


「……ん……っあ……」


またそうされて、思わず私も翔悟くんの下唇を吸った。


はあ……と漏れた甘い息は、私の？
それとも翔悟くんの？


なんだか、溶け合ってる感覚がする。
すごく気持ちいい。
ずっと、こうしていたい――――。