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暁闇
第18章  繋いだ手


どきどきする。
どうしよう。苦しい。


そんな状態なのに、指先が勝手に動いてそのまま彼の唇へと。

ふにっ、とした感覚が。
あの柔らかさをまた私に思い出させて。

離した指で、自分の髪が落ちてこないように押さえた。

そして――――。


「……んぅ」


触れた瞬間、後頭部に手が回された。
逃げられない状態にされた私は、翔悟くんにそのまま唇を貪られる。

舌先で上唇と、下唇を辿るように舐められて。
少し開いた隙間から、その舌先は私の中へと。

でも、奥までは入ってこない。
唇の内側を、ゆっくりと舐めてくる。


「……っ、ん……」


声を漏らすと、一度唇が離れた。
すぐにまた触れそうな距離で、その唇から発せられた囁き。


「俺の真似して?」


とろりとした思考状態の中、息を少し荒げながら小さく頷く私の唇に、再度押し当てられた唇。
口を開き、入ってきた彼の舌先を、自分のそれで迎える。


「ん」


舌先と、舌先が、触れて。
生き物のように動くそれが、ちろちろと私のそれをくすぐる。


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