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暁闇
第18章 繋いだ手
翔悟くんがシャワーを浴びにバスルームに入っているあいだ、あるもので簡単な朝食の準備をした。
時計の針はもう11時を指そうとしている。
「……夜、遅かったもんね」
呟いて、コーヒーをいれた。
その落ち着く香りを味わいながら感じたのは、胸の中に渦巻く幸せな気持ち。
……でもその反面、やっぱりまだ確かに私の中にあるのが分かる。
そんな自分に戸惑う気持ち。躊躇う気持ちがどうしても。
今までのように、心をすべて支配するほどのものではないけれど。
……少しずつでも、それにもちゃんと向き合おう――――。
もう一度、そう心に決める。
翔悟くんと一緒なら。
翔悟くんがそばにいてくれるなら。
きっと……大丈夫。
――そのとき。
スマホから音が鳴った。
メッセージの受信だった。