この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
暁闇
第18章 繋いだ手
「俺……クリスマスに彼女と過ごしたことってないんで」
そんな気分の中、ぽつりと落とされる言葉。
「え?」
思わずそう発すると、ちら……と私に視線を送ってきた彼は、口元に微かな笑みを浮かべた。
「……そんなの、私も」
こんなときがまさか、来るなんて。
私が誰かとちゃんと付き合うなんて日が来るなんて思わなかった。
「……ん。だからこうやって一緒に過ごせるの、すげー嬉しいっていうか。
……なんか、うん。うまく言えないけど」
ははっ、と下を向いて照れたように笑う。
私も、ふふ、と笑顔を返した。
なんだかくすぐったくなるような、その雰囲気。
翔悟くんはそうやっていつも、私に初めての感情を教えてくれる――――。