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暁闇
第18章 繋いだ手
手を繋ぎ、歩きながら。
――どうしよう。
幸せすぎて、なんだかこわい。
さっきから、ゆらゆらと揺れる自分の思考。
心のどこかで、翔悟くんといる幸せを感じる自分を、本当にいいの? と咎めるような……そんな感情が生まれてきているのに私は気づく。
……その考えは多分、もう私の癖になってるようなもので。
それとちゃんと向き合わない限り、楽しい気分や嬉しい気分に水を差す、自分の中のその存在をどうすることもできないのだと……改めて思った。
「あおいさん、どうかした?」
思わず、繋ぐ手に力が入った。
……離したくない。
そんな気持ちと。
……何浮かれてるんだろう、自分。
そんな相反する気持ちに、思考がゆらゆらする。
それでも、離したくないという思いが少し勝ったのか――――そんなふうに、手に力が。
彼の問いかけに、ううん、と。
ただ黙って首を振る。
……彼の手からも、ぎゅっと力が込められた。