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暁闇
第18章 繋いだ手
映画のあと、食事をして。
それから手を繋いで少し外を歩いた。
イルミネーションは、今日も美しく街を彩っていて。
「……きらきら」
非現実的な光景は、気持ちを高揚させてくれる。
「だね」
翔悟くんがくれる相槌も優しい。
私の顔は自然に綻ぶ。
「……あおいさん」
呼ばれて。
ん? と横を歩く彼に視線を向ける。
彼も合わせるように私を見て、目が合った。
「俺、今ほんとに幸せ」
そう言って、照れたように笑う。
「あおいさんがくれたんだよ」
「え?」
「この気持ち」
「……翔悟くん」
そっと視線を逸らした彼は、少し顔を上げて遠くを見るようにし、それから言葉を続けた。
「こんな気持ちになれるときが来るなんて……半年前は思ってなかったな」
独り言のような、そんな呟きを。
「永遠に忘れられないんじゃないかと思ってたりもしてたから」