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第18章 　繋いだ手

琴音さんのことを言っているのだとすぐに分かった私は、返事の代わりに繋いだ手にきゅっと力を込める。
聞いてるよ、と伝えるように。


「……環境が変わったこともひとつの要因ではあったと思うけど。
何より、あおいさんと出会ったことが大きかった」


また、私に視線を合わせて。


「行き場のなかった想いに囚われてた俺を、解放してくれた」

「翔悟くん……」

「あおいさんが救ってくれたんです、俺のこと」


今度は翔悟くんの方から、繋いだ手に力を込めてきた。


「だから今度は俺があおいさんを救いたい――――」


真剣な目。
真っ直ぐに私を見る。


「……私、を？」


口にしたその言葉は、少し掠れていた。
それでも翔悟くんの耳には届いたようで。
こくん、と頷かれる。