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暁闇
第20章 ほどけて
「明後日なら丸一日会えるけど……早い方がいい?」
『……ん』
今から会いたいという気持ちは変わらないようだった。
「分かりました」
そう答えて、頭の中で考えを巡らせる。
「今、家ですか?」
『あ、うん……』
「俺んちはもう分かりますよね。
それともどっかで落ち合いますか?」
『……大丈夫、だと思う』
「じゃあ今から俺、真っ直ぐ帰るんで。
気をつけて来てください」
『うん』
「夕飯は食べました?」
『……あ、まだ』
「丈は?」
そう尋ねると、何か話しているような声が小さく聞こえて。
『適当に食べるから、気にしないで翔悟くんのとこ行っていいって……』
「じゃあ……俺、あおいさんの分も何か買って帰ります」
そう告げて、お礼を言う彼女の言葉を耳にしてから、またあとで、とひとまず電話を切った。