この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
暁闇
第20章 ほどけて
何の話かはわからないけれど、あおいさんと今から会える――――そのことは俺の気分を高揚させた。
コンビニでふたり分の食事を買ってからアパートに帰ると、あおいさんの車がもうあった。
来客用の駐車スペースを教えて、そこに停め直してもらって。
「急にごめんね」
そう言って車から降りた彼女を
「全然。嬉しかったです。
道、大丈夫でした?」
「うん。知らない場所じゃないし。
翔悟くんち、わかりやすいから」
「よかった」
俺は笑って、あおいさんを部屋へと促した。
鍵を開け、彼女を中に入れ。
俺も入り、ドアの鍵を内側からかけたそのときだった。
「あおいさん?」
背中に、押しつけられたのは頭?
そのまま両手で俺のコートをぎゅっと掴まれて。
やがて聞こえた、小さな泣き声――――。