この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
暁闇
第20章 ほどけて
俺は再び彼女を抱き寄せた。
「うん」
「そしたら、きたの……っ、返事……」
「……うん」
その頭を、優しく撫でた。
そうだったのか――――、と。
俺の胸にこみ上げてきた感情。
あおいさんは、そうやって過去と向き合おうとしたんだ。
……それはきっと、俺のため。
そう。
俺のために、彼女は――――。
ぐっ、と。
胸にきて。
「……ちゃんと聞かせて? あおいさん」
こくんと、胸の中で頷く彼女。
「俺、全部聞くから」
俺の胸に頭を強く押しつけ、また、こくんと。
「翔悟くん――――……」
……愛しいひとが、少し掠れた声でそう呟いた。