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暁闇
第20章 ほどけて
触れ合う身体に、そっと体重をかけていく。
背中にあるその手に、力が入るのがわかった。
それでも彼女は逃げようとしないから。
「……翔悟くん……」
押し倒した彼女の瞳は少し不安気に揺れているようで。
その頬を両手で撫でるようにすると、やっぱり火照っていて。
その熱が、俺の身体をも熱くする。
「好きです」
そしてまた、口づける。
何度も、何度も。
次第に触れ合わせている時間も長くして。
「ん……」
甘い息が耳に届く。
離すとき、あ……と。
追い縋るような、声まで。
唇を少し開き、触れ合わせ。
彼女の唇を吸い、離す。
ちゅっ、と。リップ音が鳴った。
そのまま、黙って見つめる。
目を閉じて、ほんの少しだけ開いた唇に濡れた色を纏った彼女を。