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暁闇
第4章 ふたりの想い
「……ばればれでした?」
苦笑して、認めた。
俺は普段あまり想いを口にはしない。
坂本や仲のいい友人たちは、事実として桜井との仲を……関係をもちろん知ってはいるけれど。
自分の中の感情までは、人に話したことなんかなかったんだ。
でも――俺は今、口にしようとしてる。
報われることなどもう決してないと分かっている今、初めてそれを。
「……そんなこと、ないです」
ふふ、とまた笑う。
「ただ、琴音さん、村上さんの前で泣いてたし。
桜井くんも、あなたと真面目な話をしてるように見えたから。そういうのも、重なって」
「そう……ですか」
「それに私、以前桜井くんから聞いたことあったから」
「え?」
「……琴音さんの元彼から背中を押された、それがきっかけで琴音さんと気持ちを確認しあえたって――――」
「……え」
「村上さんのこと、ですよね」