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暁闇
第5章 終わらせる決意
「すごいなあ桜井くん」
「俺、逆にチャンスだと思って。みんなが行動できないなら、俺がやるって。
で、告ろうと思って。彼女といつも一緒にいる子に、協力してもらったんですよ。その日の帰りは桜井ひとりにしてもらって」
松下さんが、俺の話を興味深そうに聞いてくれるから。
だんだん俺も饒舌になって。
「なのに校舎から出てきた桜井は、先輩と一緒で。
どうしようかと思ったけど、思い切って声掛けて。
……先輩からの視線、めっちゃ感じましたよ。無言の圧力じゃないですけど、なんかそんなんを」
ほんと、正直あれはけっこうきた。
……たぶんもうあのときには、先輩は桜井のこと好きだったんだろう。