この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
暁闇
第23章 優しさの連鎖
「……っ……ありが……と……」
途切れ途切れになりながらも私はそう口にした。
繋がれた手が引かれ、彼の胸に抱き留められる身体。
「ずっと一緒です」
耳に落とされるのは彼の甘い囁き。
低くて、綺麗なその声。
胸元に顔を埋め、何度も頷く。
「俺たちは、終わらないよ」
両手で私を抱き締める、彼のその強さ。
私を包み込んでくれるそのぬくもり。
「…………っ」
想いを言葉にしたいのに、涙が邪魔をする。
「……こん……なに、っ、幸せで……いいのかな……っ……」
それでも、しゃくりあげながらも私は言った。
「勿論」
それに、翔悟くんは少しの躊躇いもなく答えてくれる。
「だって俺も幸せだから」
優しく囁かれて。
また抱き締められて。
彼という、強くて優しいひとに愛されることの喜びを、深く感じて。
このひとに出会わせてくれたすべてのことに、心から感謝したいと、そう思った――――。