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暁闇
第23章 優しさの連鎖
そして、私は翔悟くんに後ろから抱き締められながら、ベッドに座っていた。
結婚の約束をして。
その上で再度提案された同棲。
もう、迷う理由などなくて。
「ありがとう、翔悟くん。
……いろいろ考えてくれて」
背後から伸ばされた彼のその腕に包まれる幸せ。
「結婚できるなんて……正直思ってなかった」
「……何で? 俺、ずっとあおいさんだけだと思ってたし。
いつかそうなるもんだって思ってたけど」
「翔悟くん――――」
彼の頭が、私の肩へと乗せられる。
「……でもタイミングってあるんだなって思った。
あおいさんの迷い、聞いて。それはそうだよな、って。
先の約束もないままの同棲なんて、踏み切れないの理解できたから」
肩にかかるその重み。
それがなんだか幸せだった。
「……ありがとう」
その呟きに抱き締めて応えてくれる、私の大好きなひと。