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暁闇
第6章 新たな関係
「……あ。起きました?」
扉の向こう側にいたのは、ひとりの少年――――。
……え。
誰、この子。
事態が飲み込めずに立ち尽くす俺を見て、テレビゲームをしていた少年はコントローラーを置いて立ち上がる。
冷蔵庫の中からペットボトルを取り出すと、
「飲みます?」
そう言って俺に差し出してきた。
「あ……ありがとう」
そのスポーツドリンクを受け取った途端、喉の乾きを覚えた俺はそれを早速口にする。
少年は、そんな俺を見て言った。
「姉ちゃん、ちょっと今出てますけどすぐ帰ってくると思います」
「……姉ちゃん?」
俺は、ペットボトルから口を離して。
「じゃあ君……松下さんの弟?」
「はい」
「そう、なんだ……」
「昨日は大変でしたよ。
……おにーさんかなり酔っぱらってたんで」
にやり、と笑う。