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暁闇
第6章 新たな関係
「じゃあ携帯教えてもらえますか?」
スーツの内ポケットに入れているはずのスマホを取りに行こうと、再びさっきの部屋に入ろうとして
「あの……部屋、いいですか」
一応、断る。
「あ、はい。どうぞ」
俺はその言葉に再びそこへと足を踏み入れて。
ハンガーにかかってある上着とネクタイを手にし、部屋を出た。
スマホを取り出して、松下さんに向き合う。
彼女はもうスマホを片手に準備していた。
LINEのIDなどの連絡先を交換しているあいだ、なんとなく感じた視線にそちらに目を向ける。
丈くんがにやにやしながら俺たちを見ていた。
「……なに?」
「いや、何でもないっすよ?」
そう言いながらも、その口元はやっぱり笑っていて。
そして、あ、と何か思いついたかのように。
「翔悟さん、翔悟さん! オレとも!」
「いいよ」
松下さんとそうした後、結局丈君とも交換した。