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暁闇
第6章 新たな関係
電車の時間に合わせ、松下さんの家を出る。
駅まで車で送るという彼女の言葉に甘えさせてもらい、また対戦相手になりに来て、という丈君の言葉に苦笑しながら頷いた。
「……弟さん、懐っこいですね」
彼女の車の中、助手席に座る俺はその運転席に視線を向けながら。
「なんだかごめんなさい。
あの子、何か迷惑かけたりしませんでした?」
申し訳なさそうな様子に、慌ててそれを否定する。
「いや、全然! マジでいい子なんで驚きました。
……俺、突然家に来た、よくわからない男ってかんじなのに」
自分で言って情けなくなった俺は、笑ってそんな感情を誤魔化す。
「もうほんと、何て言うか……松下さんとは会ったばかりなのに、迷惑ばっかり――――」
「翔悟くん」
まだ言い終えていないのに。
俺の言葉に被せるようにして、名前を呼ばれ。