この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
暁闇
第6章 新たな関係
「松下さん、に戻ってますよ?」
そう続けられ。
「……え?」
意味が分からず、彼女を見る。
たぶん、呆けた顔をしていたんだろう。ちらりと俺を見た彼女が吹き出した。
「……翔悟くんが言ったのに。すっかり忘れてるみたいですね」
「え……何、ですか」
何だ?
俺、昨日何を言ったんだろう?
さっぱり思い出せない。
「翔悟くん、『自分は年下だから、さん付けはやめてください』って」
「あ、それは何となく覚えてますけど――――」
「そのうち『俺に、丁寧な言葉とか使わなくていいです』 とか。
『名字だと堅苦しいし、名前でいいです』」
「……それはちょっと、記憶にない、かも」
「『俺も松下さんを名前で呼びますから』って」
「――――え!?」
……やばい。
ほんと、マジで記憶ない。