この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
暁闇
第6章 新たな関係
駅に着いた。
礼を言って車を降り、また再度礼を言う。
「あの、連絡するんで」
「はい」
「ほんとに、ちゃんとご馳走させてください」
「楽しみにしてます」
もっと――――。
もっと言いたいことがあるのに、なんだかうまくまとまらなくて。
「……っ、あの」
――突然響いた、クラクションの音。
見ると、後ろの車の運転手がこっちを見ている。
同じように降車スペースに停まりたがっているのか、早く動かすように音で急かしてきたのだった。
「じゃあ、また」
笑顔で軽く左手を俺に振る彼女の
「あおいさん!」
その名前を、呼ぶ。